為替と個別株、それに実質賃金
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- 2024.04.29
- 経済
先日、私が大好きな輸入品のお菓子が4割ほど値上がりしていまして、悩んだ挙げ句に購入をしませんでしたw それはさておき、、
4/26の日銀政策金融決定会合を受けて
4/26の日銀政策金融決定会合後の植田総裁は最近の円安について「金融政策は為替レートを対象にしない」、さらに記者の為替への質問に対して「基調的な物価上昇率への大きな影響はないと判断した」、さらに影響は無視できる範囲だったかとの問いに対して「はい」との回答でした。さらに「当面は緩和的な金融環境が続く」と発言し、記録的な円安へと続きます。
最近は日銀政策金融決定会合後を見届けて円安が続伸するので、この流れは一体いつまで続くのでしょうか。ただ、記者とのやりとりが奥歯に物が挟まったかの様だったので、その雰囲気が非常に気になりました。
植田日銀総裁の立場はさておき、食料・エネルギーの自給率が1割の我が国にとって、円安は物価に影響が大いにあると思っているのですが皆様いかがお考えでしょうか。ただ、為替は物価だけではなく株価へも影響を与えます。
為替と個別株の関係
個別株に少し触れたいと思います。
以下はトヨタ自動車です。(白線と右軸がトヨタ自動車株価、オレンジ線と左軸がドル円)
日本のグローバル企業の代表といっても過言ではないと思います。海外販売台数比率は8割を優に超えるため、円安は大きなアドバンテージになっています。
次はバルミューダです。(白線と右軸がバルミューダ株価、オレンジ線と左軸がドル円ですが、見やすいようにドル円の軸を反転しています)
2020年12月に上場し、とてもデザインなどが良い人気がある家電です。ですが、製造を海外に委託しており、さらにはマーケットの多くが国内です。よってこの円安環境下では利益を生むことがむずかしいものと思われます。
個別株は東京証券取引所がPBR(株価純資産倍率)の低迷する上場企業に対して改善策を開示・実行するよう要請しています。そうした中で成長する銘柄を探す上で、為替はファンダメンタルを分析(企業の財務状況・経営状況などのデータを基に将来の株価を予測する分析手法)し、利益予測をたてるための一つの要因でしかありませんが、重要であることには違いありません。
(当コラムは投資助言ではありませんので、個別銘柄の売買について推奨することはありませんが、ファンダメンタル分析やテクニカル分析にも今後触れていきたいと思います)
円の強さは世界の中でどうなってしまっているのか
さて、最後になりますが、他国の通貨強弱が指標かされているものが円インデックス(指数)です。あわせえてドルインデックスの現状も載せています。(白線と右軸が円インデックス、オレンジ線と左軸がドルインデックス)
なお、各インデックスを補足しますと、
<ドルインデックス>ユーロ、円、ポンド、カナダドル、スウェーデンクローナ、スイスフランの6通貨で構成。ユーロの構成比率が約6割近くを占めため、対ユーロの代理変数とも言える指数です。
<円インデックス>貿易額に基づき人民元、米ドル、ユーロ、韓国ウォン、台湾ドル、その他で構成され各通貨にウェイトをかけて算出していますが、人民元・米ドル・ユーロで約6割を占める指数です。
ここから言えるのは、現時点では米ドルは相対的に強い通貨である一方、日本円は相対的にかなり弱い通貨となってしまいました。今の円インデックスから読み取れるのは1ドル=プラザ合意並み(約240円)の水準とのことです。
23ヵ月実質賃金がマイナス
23ヵ月も実質賃金がマイナスなのは、為替の影響が大きいでしょう。(その間、円安が進行しています)
どれだけ稼いでも実質賃金のマイナスが続くのであれば、多少のベースアップがあったところで購買力(モノやサービスを買うことができる力)は徐々に減少します。
政府債務がGDP比で200%を超えており、返済にあたって大幅な増税も難しい現状では、どの様な形だろうとインフレを起こし、借金である債務の実質価値を減らすしかないのかもしれません。これを経済学ではインフレ税と言います。しかしこのままでは少しづつではありますが、国民の生活レベルが落ちていくように思います。植田日銀総裁および政府の英断に期待したいところですが、現実としては、将来を読み解き資産を自衛をするしかありません。
資産をどの様に守っていくべきかお悩みの方はご相談ください!
今後も様々な情報も発信していきます。次回のコラムも是非お楽しみにお待ちください!