必見! お得な積立日はいつ?!
積立の設定日はいつが人気か
今年から新NISAがスタートし、月間1兆円規模で投資信託等の株式への資金の流入が続いています。
そんな中、積立の設定日は以下が多いと言われています。
月初、5日、10日、25日、月末
月初と月末は各証券会社の選びやすいところに設定欄があることも一因に思います。5日と10日はクレジットカードでの積立て決済日の関係で多いと言われています。25日は給与振込の関係で多いと言われています。
毎日積立の方もおられると思いますが、積立設定日は月1回の方が多いと思います。月1回の積立日の中から得をする日があるのかを検証したいと思います。
検証の対象
積立の多くは新NISAのつみたて投資枠の利用が中心かと思います。またその多くは日本株、米国株、世界株のインデックス(株式指数)に連動した投資信託かと思います。
今回は、記憶に新しい大暴落をした日経平均株価にフォーカスをあてて検証したいと思います。
なお、大暴落をした月は設定日によってブレ幅が大きくなることを考慮し、日経平均株価は下記の期間を対象としました。
①2024年1~6月 新NISAスタート上半期
②2023年1~6月 旧NISAの最終年の上半期
③2017年1~6月 旧NISA(つみたてNISA)が始まる前年の上半期
これらを比較対象とした理由としては、資金の流入量としては①>②>③の順と考えられ、それによりマーケットにも特色が生じると仮説をたてました。
検証の方法
各月の日経平均株価の平均値を算出し、各積立設定日が左記平均値に対してどの程度の騰落率があるのかでパフォーマンスを計ります。
例えば、ある月の日経平均株価の平均値が30,000円とした際に、設定日Aが28,500円だと騰落率は95%。設定日Bが31,500円だと騰落率は105%となります。
株は安く買って高く売るが鉄則ですから、購入(積立)する際は、できるだけ安く買える設定日Aの方がパフォーマンスは高いと言えます。つまるところ、設定日Aはある月の日経平均株価の平均値よりも5%お安く購入できたということになります。
※結論を知りたい方は「検証作業まとめ」以降をご覧ください。
検証作業① 2024年1~6月(新NISAスタート上半期)実績
比較的、月の前半のパフォーマンスが高いと言えます。(騰落率でパフォーマンスが高い箇所を網掛けしています。以下同様。)
検証作業② 2023年1~6月(旧NISAの最終年の上半期)実績
概ね、月の前半のパフォーマンスが高いと言えます。
検証作業③ 2017年1~6月(旧NISA(つみたてNISA)が始まる前年の上半期)実績
特に優位性は見当たらないと言えます。
検証作業まとめ
上段のグラフで2023年、2024年の1~6月とも日経平均株価は上昇しています。ブルマーケット(市場が上昇局面)においては、年初より年末にかけて株価は上昇していく傾向にありますので、単月においても月末よりも月初の方が株価は低くなる傾向にあると考えられることから、結果として月の前半の積立のパフォーマンスが高くなると想定されます。下段のグラフではそうしたパフォーマンスが積立日により異なることがわかります。
積立設定日の結論はいかに
月初、5日、10日、25日、月末のいずれかの設定日の場合、ブルマーケット(市場の上昇局面)では月の前半のパフォーマンスが高いと考えられます。一方でベアマーケット(市場の下落局面)はその逆の可能性もあります。
ただ、株価は長期的には上昇していく可能性が高い(=下落局面より上昇局面の方が長くなる)ですので、積立の設定日をそこまで悩まれなくても問題ないかと思いますが、インデックス(株価指数)連動の投信を積立てる上で、少しでもパフォーマンスを高くしたい。戦略性をもって積立を楽しみたい方にとってご参考になれば幸いです。
今後も為替の影響を受ける海外資産への積立(S&P500やオルカンなど)やベアマーケット(市場の下落局面)についても検証をしていきます。
お楽しみ頂けましたでしょうか? 矢島FPオフィスでは今後も様々な情報を発信していきます。次回のコラムも是非お楽しみにお待ちくだい!